日本企業の6~7割は常に赤字!
国税庁の統計によれば、日本企業は平成21~22年度をピークに、赤字企業の割合は徐々に減少しております。そして、直近の平成29年度、黒字企業の数は10万社を突破。過去22年間の中で最も多くなっております。
しばしば「業界常識では・・・」というような会話を耳にしますが、常識=大多数の方が当然に思っている事象と定義するならば、赤字企業が6~7割を占める現状では「業界常識=赤字企業の考え方」ということになります。
そのため、中小企業が安定的に黒字計上するためには、業界常識に捉われず、固定概念を捨て、唯一、客観的な指標である「計数」に基づいた経営判断を行っていく必要性があるのではないでしょうか。
参考:国税庁・会社標本調査結果(税務統計から見た法人企業の実態)を加工
中小企業の大半は、正しい経営判断ができる社内体制がない!
YMTコンサルではコンサルティングの際、唯一、客観的な指標である「計数」を最も重要視しております。ところが、中小企業の現状は、経理機能が十分ではなく信憑性の低い経営資料(計数)となっていることがほとんどです。
例えば、月次試算表の作成に〆後1ヶ月以上もかかる。棚卸が不正確なため利益率が不安定。現金主義で処理。入金=売上高、出金=原価・経費など収益と費用の時間軸が一致していない。期中は減価償却費を未計上。税込処理のため売上高・原価・経費が割増となっている・・・等々。
これでは、いくら計数を使って業績会議をした所で、大雑把で、的外れな対策を打っている可能性が高いのです。そのため、まずは『正しい経営判断ができる社内体制の構築』から始めることになります。具体的には次の通り。
正しい経営判断をするためには?
1 |
月次試算表は、〆後10日以内に作成 |
2 |
発生主義・実現主義、費用収益対応の原則 |
3 | 前年対比・目標対比での業績管理 |
4 | 期末予想損益の作成(※作成ルールが重要) |
5 | 資金繰り表の作成(最低3ヶ月先まで) |
6 | 部門・事業・店舗別損益の作成(該当の場合) |
7 | 個人別の稼働実績の作成(明確化できる場合) |
8 | 見込先一覧の作成(新規営業に取り組む場合) |
目標損益は『営業利益』を中心に、下から上へと作成する!
YMTコンサルでは、目標損益を作成する際、通常の損益計算書ではなく『変動損益計算書』を作成します。その理由として、通常の損益計算書では、原価の中に「固定費」が、販管費の中に「変動費」が入っていたりするケースが多いため、より精度の高い業績管理を行うためには『変動損益計算書』を用いるのが最善だからです。
目標損益を作成する際、多くの方が、売上高から下へ原価・経費、営業利益と決めて行かれる方が多いと思います。YMTコンサルでは『営業利益』を先に決め、次第に下から上へ決めて行き、結果的に『売上高』が決まります。もし仮に『売上高』『営業利益』のどちらの方が重要なのか選択するならば、中小企業の場合は『営業利益』でしょう。なぜなら、利益がなければ次の投資ができず、昇給原資も確保できないからです(なお、上場企業や大企業の場合は、株主対策の観点やシェア拡大が原価低減にもつながるため逆のケースが多いと思われます)。
(PDCAサイクル)決めたことをきちんと実行してますか?
『PDCAサイクル』は昨今ではポピュラーとなり、どの会社でも使われている管理手法ですが、中小企業においては、二番目の『Do(実行)』が最も重要と考えます。過去20年間、3000社以上の中小企業をご支援してきた経験から、多くの中小企業に共通するの最大の問題点は「事業計画や会議で決められたことがきちんと実行されていない」という点です。しかも、その理由で最も多いのは「仕事が忙しくて出来なかった」。これが許されている風土ではPDCAは机上の空論でしかありません(そもそも事業計画や会議での決め事は、その結果はどうであれ、まずは確実に実行していくことは最も重要な仕事のはずなのですが・・・)。
そのため、PDCAを適切に回すためには、その前提として「決め事を遵守する社風」と「社員の意識改革」が伴っていなければ、全く意味をなさないのが現実です。従って、YMTコンサルの基本方針は「いかに立派な戦略・仕組みを導入しても、人・組織が実行しなければ全く機能しない」となっているのです。